名神高速・岐阜羽島ICから車で約15分。岐阜県海津市に鎮座する千代保稲荷神社(ちよほいなりじんじゃ)は、地元で「おちょぼさん」の愛称で親しまれる商売繁盛の神様です。
由緒は平安時代にさかのぼり、源義家ゆかりの霊璽を「千代に保て」と託されたことが社名の由来。文明年間(1469〜1487年)に義家の子孫・森八海がこの地を開墾し、霊璽を祀ったのが神社の始まりとされています。最大の特徴は、東口から南口まで約700メートル・約120軒が軒を連ねる門前町。「毎日が縁日」のような活気のなか、串カツ片手に参拝する——おちょぼさんならではの体験が待っています。

このスポットの魅力
「お守りもない、御朱印もない」——独自の信仰スタイル
千代保稲荷神社の最大の特徴は、御札・お守り・御朱印の授与を一切行っていないこと。公式サイトには「古伝により、当社では御札や御守の授与、また朱印帳の記帳をしておりません」と明記されています。
代わりに参拝者が捧げるのは、油揚げとロウソク。境内入口の売店で「おあげ」(油揚げ)とロウソクのセットを購入し、燈明場でロウソクに火を灯し、本殿に油揚げを供えて祈願します。形式よりも「神様に直接お願いする」ことを大切にする、飾らない信仰のかたちがここにあります。
月越参り——毎月末の夜通し参拝
毎月末日から翌1日にかけての「月越参り(つきこしまいり)」が、おちょぼさん最大の風物詩。前月の御礼と翌月のお願いをするこの参拝は、特に商売人の間で深く根づいています。
月末の夜は門前町が深夜まで営業し、参道は夜通し参拝者で賑わいます。串カツの煙と提灯の灯り、行き交う人々の熱気——日本の他の神社ではなかなか味わえない非日常体験です。
約700メートルの門前町——毎日が縁日
東口大鳥居から南口大鳥居まで約700メートル、約120軒の商店が並ぶ門前町は、平日でも活気に満ちています。名物の串カツをはじめ、どて煮、草もち、川魚料理、漬物……食べ歩きと参拝が一体化した独特の楽しみ方が、おちょぼさんの文化そのものです。
温故集成館——境内の無料美術館
神社北側に位置する温故集成館(おんこしゅうせいかん)は、神社所蔵の美術品を展示する無料の施設。参拝の合間にアートに触れられる、知られざるスポットです。

ご利益・期待できる効果
商売繁昌 — おちょぼさんの代名詞。地元の個人商店から全国の事業者まで、月越参りに合わせて商売繁盛を祈願する参拝者が絶えません。油揚げとロウソクを供える独自のスタイルで、直接神様にお願いします。
家内安全 — 商売繁盛と並ぶ主要なご利益。家族の平穏と幸福を願う参拝者も多く訪れます。
五穀豊穣・産業振興 — 稲荷大神を祀る神社として、農業をはじめとするあらゆる産業の発展を守護。
心願成就 — ご祈祷では心願成就も受け付けており、人生の大きな願い事を託す方も。昇殿祈祷は毎日9:00〜12:00、13:00〜14:30に受付(月末2日間は午前のみ)。
厄除開運 — 厄年の厄除祈願にも対応。正月の初詣と月越参りが重なる年末年始は、厄除と新年の祈願を兼ねる参拝者で特に賑わいます。

おすすめの訪問時期
月越参り(毎月末〜翌1日)★★★★★
毎月の最大イベント。月末の夕方から翌朝にかけて門前町が深夜営業し、参道は夜通し賑わいます。特に12月31日〜1月1日は初詣と重なり最高潮。商売人の方は毎月通うのがおすすめ。
初詣(1月)★★★★★
三が日は多くの参拝者で大混雑。門前町も正月モード全開で活気に満ちています。混雑を避けるなら1月4日以降の平日がベスト。
初午祭(旧暦2月初午の日)★★★★☆
稲荷神社にとって最も重要な祭日。例年3月頃に行われ、五穀豊穣を祈念する祭典です。
秋季大祭(10月第2月曜日)★★★★☆
秋の収穫に感謝する祭典。秋晴れの空の下、参道の食べ歩きも気持ちの良い季節です。
おすすめの時間帯
午前中(9:00〜12:00): 門前町の店が開き始め、揚げたての串カツや焼きたての草もちを楽しめる。社務所も受付開始。月越参りの夜(20:00〜翌2:00): 深夜まで賑わう門前町の独特の熱気。昼間とはまったく異なる表情を見せます。
参拝ガイド
おすすめルート(60〜90分)
東口大鳥居(撮影スポット)→ 門前町を歩きながら食べ歩き(串カツ・草もち)→ 境内入口の売店で油揚げ&ロウソク購入 → 燈明場でロウソク献灯 → 本殿で油揚げを供えて参拝 → 霊殿(古い眷属像を拝観) → 温故集成館(無料美術館)→ 門前町に戻ってお土産探し → 南口大鳥居から出る
参拝の作法(独特)
1. 境内入口の売店で油揚げとロウソクのセットを購入
2. 燈明場でロウソクに火を灯して献灯
3. 本殿で油揚げを供え、二拝二拍手一拝で参拝
4. 願い事がある方は昇殿祈祷も受付可能(9:00〜17:00)
御朱印について
千代保稲荷神社では御朱印・お守り・御札の授与はありません。 「古伝」による方針で、これも信仰のあり方のひとつ。御朱印帳を持参しても記帳は受けられませんので、ご注意ください。
注意点
- 24時間参拝可能(門前町の営業は店舗による)
- 月末の月越参りと正月は大混雑。無料駐車場は満車になりやすい
- ペット同伴は公式サイトに「ご遠慮ください」と記載。事前に社務所(0584-66-2613)へ確認を
基本情報
| 項目 | 内容 |
|——|——|
| 正式名称 | 千代保稲荷神社(ちよほいなりじんじゃ) |
| 別称 | おちょぼさん |
| 所在地 | 岐阜県海津市平田町三郷1980 |
| 主祭神 | 大祖大神・稲荷大神・祖神 |
| 創建 | 文明年間(1469〜1487年) |
| 参拝時間 | 24時間 |
| 参拝料 | 無料 |
| 駐車場 | 無料(東口約50台、南口約20台)+周辺民間有料(300〜500円程度) |
| 御朱印 | なし(古伝により授与なし) |
| 公式サイト | https://www.chiyohoinari.or.jp/ |

アクセス
車(推奨)
| ルート | 所要時間 |
|——–|———|
| 名神高速 岐阜羽島IC → 千代保稲荷 | 約15〜20分 |
| 名神高速 大垣IC → 千代保稲荷 | 約15〜20分 |
| 安八スマートIC → 千代保稲荷 | 約10分 |
注意: 月末の月越参りと正月は無料駐車場が早い時間に満車になります。民間有料駐車場(300〜500円)を利用するか、早めの到着がおすすめ。
電車・バス
| ルート | 所要時間 | 料金目安 |
|——–|———|———|
| 名古屋 → 岐阜羽島(東海道新幹線こだま) | 約15分 | 指定席 約3,000円 |
| 岐阜羽島/新羽島 → お千代保稲荷(海津市コミュニティバス) | 約20分 | 要確認 |
| 養老鉄道 石津駅 → お千代保稲荷(コミュニティバス) | 約22分 | 要確認 |
実務的なアドバイス: コミュニティバスの本数は限られるため、車でのアクセスが圧倒的に便利。名古屋から日帰りで訪れる方が多いエリアです。
周辺スポット・グルメ
周辺の見どころ
木曽三川公園センター — 展望タワーと季節ごとに変わる大花壇が見事。家族連れにも人気。車で約15分。
治水神社 — 宝暦治水(薩摩藩士が命がけで行った木曽三川の治水工事)を祀る神社。歴史好きな方には特におすすめ。車で約10分。
早川家住宅 — 平田町三郷にある国指定重要文化財の豪農住宅。千代保稲荷から徒歩圏内。
道の駅「月見の里 南濃」 — 地元の農産物直売所。ドライブの帰りに立ち寄りやすい。
門前町の名物グルメ
串カツ — おちょぼさん門前町の代名詞。「玉家」をはじめ複数の名物店が競い合う。揚げたてを味噌だれでいただくのが定番。
どて煮 — 牛すじや大根を味噌でじっくり煮込んだ一品。串カツとセットで味わう方が多い。
草もち — ヨモギの香りが豊かな素朴な味わい。参道の複数店で販売。お土産にも最適。
川魚料理 — もろこの甘露煮や鮎の塩焼きなど、海津ならではの川魚グルメ。
漬物 — 海津の名産品。参道沿いの漬物屋では試食も楽しめます。

訪問者の口コミ・体験談
> 「串カツ食べながら歩いて、お参りして、また串カツ。こんなに楽しい神社は他にない。月末の夜中に行ったら、深夜なのに人がいっぱいで驚きました。」
> — Google Mapsの口コミより
> 「油揚げとロウソクをお供えする参拝スタイルが独特で、他の稲荷神社とは雰囲気が違う。門前町の活気も含めて、”日本のパワースポット”の原風景を見た気がしました。」
> — じゃらんの口コミより
口コミ全体の傾向として、「神社単体」よりも「参拝と食べ歩きと門前町散策が一体化した体験」として高く評価されています。TripAdvisorでは海津市の観光名所1位、じゃらんでは780件以上の口コミが投稿されています。
よくある質問
名古屋から日帰りは可能?
十分可能です。名神高速経由で約40分。参拝+食べ歩きで2〜3時間。木曽三川公園と合わせても余裕で日帰りできます。
御朱印はもらえる?
もらえません。 千代保稲荷神社では古伝により、御朱印・お守り・御札の授与を行っていません。これは千代保稲荷の独自の信仰スタイルです。
月越参りに行くなら何時がベスト?
月末の20:00以降がおすすめ。門前町が深夜営業に入り、昼間とは異なる賑わいを体感できます。混雑ピークは22:00〜0:00頃。
車椅子でも参拝できる?
参道側は比較的移動しやすいですが、本殿周辺には石段があります。事前に社務所へお問い合わせください(0584-66-2613)。
写真撮影ガイド
東口大鳥居 — 門前町の商店と赤い大鳥居を一緒に収める構図がおちょぼさんらしい。到着時に撮影がおすすめ。
南口大鳥居 — 逆光シルエットが印象的。夕方の撮影が映える。
燈明場 — ロウソクの炎が並ぶ幻想的な光景。月越参りの夜は特に美しい。
門前町の賑わい — 串カツ店の煙、食べ歩く人々の表情。おちょぼさんの「空気」を切り取るスナップ向き。
本殿前 — 油揚げのお供えが並ぶ風景は、千代保稲荷ならではのユニークな被写体。
雨の日の楽しみ方
- 門前町の多くの店は屋根付き。雨の日でも串カツ・草もち・漬物の食べ歩きは十分楽しめる
- 温故集成館(無料美術館)で雨宿りしながらアート鑑賞
- 草もち、漬物、佃煮などのお土産探しに専念するのも雨の日ならでは
- 月越参り以外なら人出が減り、しっとりした門前町の雰囲気を味わえる
まとめ
千代保稲荷神社(おちょぼさん)は、御朱印もお守りもない代わりに、油揚げとロウソクで神様に直接願いを届ける——日本でも珍しい信仰のかたちを今に伝える稲荷神社です。
約700メートル・120軒の門前町は「毎日が縁日」。串カツの香ばしい煙、ヨモギが香る草もち、活気のある漬物屋。参拝と食べ歩きが一体化したこの体験は、おちょぼさんでしか味わえません。
名古屋から車で約40分、岐阜羽島駅からも好アクセス。月末の月越参りで夜通し賑わう門前町は一見の価値あり。「商売繁盛の神様に、串カツ片手にご挨拶」——そんな気取らない参拝スタイルが、おちょぼさんの何よりの魅力です。
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この記事があなたの千代保稲荷神社参拝のお役に立てれば幸いです。
※本記事の情報は2026年4月時点のものです。訪問前に必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。
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